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薪の樹種の選び方|広葉樹と針葉樹の違い・おすすめの木・燃やしてはいけない木

薪ストーブ図鑑 編集部2026年10月13日 更新約6分で読めます
色や木目の違う数種類の薪を並べた様子
樹種によって密度も木口の色も違います
結論
  • 薪の樹種は、長く燃やすならクヌギ・カシ・ナラなどの広葉樹、焚き付けにはスギ・ヒノキなどの針葉樹が向きます。
  • 重さあたりの熱はどの木もほぼ同じ。差は「同じ大きさでどれだけ重いか」です。
  • 樹種より大事なのは乾燥です。塗装した木、合板、海の流木は燃やしません。

薪の広葉樹と針葉樹、何が違う?

薪の木は、葉の広い「広葉樹」と、葉が針のように細い「針葉樹」に分かれます。広葉樹は火が付きにくい代わりに長く燃えます。針葉樹はすぐ燃え上がり、早く燃え尽きます。

意外なことに、乾いた木1kgから出る熱はどの木もほぼ同じです。北海道立総合研究機構の資料では、針葉樹で約20MJ/kg、広葉樹で約19MJ/kgでした。MJ(メガジュール)は熱の量の単位です。

同じ大きさのスギとナラの薪を量り比べる
同じ大きさでも広葉樹はずっと重い

違うのは重さです。同じ大きさに割っても、クヌギはスギの2倍以上重くなります。そのため、同じ薪棚1つ分を燃やすと、カシやクヌギはスギの2倍以上の熱を出します。

広葉樹針葉樹重さあたりの熱はほぼ同じ針葉樹 約20MJ/kg、広葉樹 約19MJ/kg(全乾)樹種気乾密度05001,0001,5002,0002,500層積1㎥あたりの熱量(kWh)アラカシ0.962,300kWhアカガシ0.872,090kWhクヌギ0.842,020kWhシラカシ0.831,990kWhコナラ0.791,900kWhケヤキ0.691,660kWhミズナラ0.681,630kWhブナ0.651,560kWhヤマザクラ0.621,490kWhクリ0.601,440kWhアカマツ0.521,250kWhカラマツ0.501,200kWhヒノキ0.441,060kWhスギ0.38910kWh← クヌギの約45%熱量=気乾密度×1,000×実積率0.6×4.0kWh/kg(含水率20%)。気乾密度は木材工業ハンドブック改訂4版、発熱量は北海道立総合研究機構林産試験場資料による
図:樹種別の気乾密度と、薪棚1㎥あたりの熱量

図の気乾密度とは、乾いた木の1cm角あたりの重さ(g)のことです。数字が大きいほど、火持ちがよい木です。

広葉樹と針葉樹の薪の見分け方は?

見分けるときは、まず持ってみます。同じ大きさでずっしり重いのが広葉樹です。樹皮が縦の筋になっていて手ではがれやすいのは、スギやヒノキなどの針葉樹です。

迷ったら、同じくらいの大きさの薪を両手に持ち比べるのが確実です。重さの差は、そのまま火持ちの差になります。

火持ちのよい薪の木は?樹種ごとの特徴とおすすめ

薪ストーブの主な燃料には、重い広葉樹が向きます。かっこ内は気乾密度です。

  • クヌギ(0.84)・ナラ(0.68〜0.79):薪の基準になる木。熾火(炎が収まった後の赤い炭火)が長く残り、夜の燃焼に向きます。
  • カシ(0.83〜0.96):いちばん重く、火持ちも最上。乾くと硬くて割りにくいので、生木のうちに割ります。
  • サクラ(0.62):火付きと火持ちのバランス型。燃やすと甘い香りがすると言われます。
  • ケヤキ(0.69):火持ちはよいものの、木目が入り組んでいて割りにくい木です。
  • クリ(0.60):割りやすい一方、パチッとはぜて火の粉が飛びやすい木です。
  • スギ(0.38)・ヒノキ(0.44):火付きが抜群。焚き付けや、火をおこすときに使います。
広葉樹と針葉樹が混ざった薪の木口のアップ
重い広葉樹と軽い針葉樹は、木口の色と年輪の詰まり方で見分けられます

買うときの値段もちがいます。エープラスの例では、1束で針葉樹250〜350円、広葉樹400〜600円です。広葉樹は高めですが、そのぶん1本で長く燃えます。

こんな人に向く、で選ぶならこうです。夜通し焚きたい人は、クヌギやカシを多めに。扱いやすさを取るならナラやサクラ。焚き付けには、スギやヒノキを少し用意します。主な樹種を表にまとめます。

樹種気乾密度特徴向く使い方
クヌギ0.84熾火が長く残る主燃料・夜
ナラ0.68〜0.79薪の基準になる木主燃料・夜
カシ0.83〜0.96最も重く火持ち最上。乾くと割りにくい夜
サクラ0.62火付きと火持ちのバランス型昼間
ケヤキ0.69火持ちはよいが割りにくい主燃料
クリ0.60はぜて火の粉が飛びやすい昼間(扉の開け閉めに注意)
スギ・ヒノキ0.38・0.44火付きが抜群で、早く燃え尽きる焚き付け

針葉樹は薪ストーブで燃やしてもいい?

よく乾いていれば、燃やして大丈夫です。「針葉樹はヤニでタールが出る」とよく言われます。しかしタールの主な原因は、木の種類ではなく水分と低い温度での燃焼です。

北海道立総合研究機構の資料も、樹種より乾燥が大事で、乾いた薪ならマツでも煤は少ないとしています。英国の認証団体HETASも、どの木でも含水率20%以下を条件にしています。含水率とは、薪の重さのうち水が占める割合です。

針葉樹の本当の弱点は、燃えるのが速すぎることです。一度にたくさん入れると、ストーブが熱くなりすぎて傷みます。少しずつ足し、夜の長い燃焼は広葉樹に任せます。

そのかわり、針葉樹は早く乾きます。春に割れば半年〜1年で使えます。広葉樹は1年半〜2年を見ておきましょう。置き場に余裕があり、安く手に入るなら、針葉樹を多めに混ぜるのも手です。

薪にしてはいけない木・燃やしてはいけないものは?

米国環境保護庁(EPA)は、次のような木を燃やさないよう求めています。

塗装材・合板・パレット・海の流木などの燃やしてはいけない木
塗装材・合板・防腐処理材・海の流木はストーブで燃やしません
  • 塗装した木や、古い建具。塗料が燃えて有害なガスが出ます。
  • 合板や集成材。接着剤が燃えて、ストーブや煙突を傷めます。
  • 防腐処理をした木(古い土台やウッドデッキ材)。
  • 海の流木。塩分が燃えて、有害な物質や金属のさびの原因になります。

竹も主な燃料にはしません。節の中の空気と水がふくらんで破裂し、火も急に強くなるからです。使うなら割ってよく乾かし、焚き付けにとどめます。

建築廃材は燃やさない
解体した家の木材などは、薪ではなく廃棄物として扱われることがあります。燃やすと廃棄物処理法の「焼却の禁止」に触れるおそれがあります。由来がわからない木は燃やさないのが安全です。

薪の樹種はどう組み合わせる?役割ごとの使い分け

樹種は1つに絞らず、役割で組み合わせると使いやすくなります。

  1. 焚き付け用に、スギやヒノキを細く割って用意する。
  2. 昼間用に、サクラやコナラなど扱いやすい広葉樹を積む。
  3. 夜用に、クヌギやカシを太めに割って別に積む。
  4. どの薪も含水率20%以下になっているか、水分計で確かめる。

乾かし方は薪の乾燥と含水率、手に入れ方は薪の入手方法で解説しています。火のおこし方は上から着火する方法、法律の詳細は薪ストーブの法律と届け出を見てください。

よくある質問

薪ストーブにおすすめの樹種は何ですか?
主な燃料には、クヌギ・カシ・ナラなど重い広葉樹が向きます。熾火が長く残り、夜の燃焼にも使えます。焚き付けには、火付きのよいスギやヒノキを少し用意します。
ナラとクヌギ、どちらがよい薪?
同じ大きさならクヌギ(0.84)の方がミズナラ(0.68)より重く、火持ちもやや上です。ただ、どちらも乾いていれば主燃料として十分です。
針葉樹を薪ストーブで燃やすと煙突にタールが付きますか?
タールの主な原因は、樹種より薪の水分と低い温度での燃焼です。含水率20%以下に乾いていれば、針葉樹も燃やせます。燃えるのが速いので、少しずつ足してください。
杉の葉や松ぼっくりは焚き付けに使える?
使えます。乾いていれば火付きがとてもよく、着火剤の代わりになります。湿ったものは煙が多いので、乾かしてから少しずつ使います。
庭木の剪定枝やサクラは薪にできる?
できます。農薬や塗料が付いていなければ、割って1年ほど乾かせば薪になります。細い枝は束ねて乾かし、焚き付けに回します。
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あわせて読みたい

出典・参考資料

  1. 樹種別の気乾密度の値の例(木材工業ハンドブック改訂4版より、北海道)
  2. 薪の燃焼性能について(西宮耕栄、北海道立総合研究機構 林産試験場、ウッディエイジ2021年9月号)
  3. Wood Fuels Handbook(FAO, Krajnc 2015)
  4. 知って安心 薪のすべて(エープラス)
  5. 薪の種類と入手方法(一般社団法人 日本暖炉ストーブ協会)
  6. Wood, coal and smokeless fuel: which is right for your stove?(HETAS)
  7. Best Wood-Burning Practices(U.S. EPA Burn Wise)
  8. 廃棄物の焼却禁止について(大阪市)
  9. 竹って薪として使えるの?(かわはら薪ストーブ本舗ブログ)
  10. 杉の葉は最高の焚きつけ材(かわはら薪ストーブ本舗ブログ)
  11. 薪・ペレットストーブブック 薪の選び方(長野県)

価格・料金・制度は2026年10月13日時点で編集部が確認した目安です。設置の可否や離隔距離は、必ずメーカーの施工説明書と所轄の消防署で確認してください。