薪ストーブの着火方法は「上から」:薪の組み方と手順、時間と温度の目安

- 冷えた薪ストーブの着火方法は「上から着火」がおすすめです。立ち上げの煙が少なく、途中で扉を開ける手間もほぼありません。
- 下から太い薪→中くらい→細い薪→焚き付け→着火剤の順に積み、一番上に火をつけます。
- 空気は全開で始めます。太い薪に火が回り、天板が200℃前後になったら少しずつ絞ります。
上から着火のやり方は?薪の組み方と8つの手順
炉の幅が40〜50cmの中くらいのストーブを例にします。薪の太さは「径(=切り口の直径)」で表します。
- 灰を2〜3cmだけ残し、余分な灰を取り出す。
- キッチンの換気扇を止める。
- 空気の調整レバーを、すべて全開にする。
- 一番下に、径6〜10cmの太い薪を2本、指2本分のすき間をあけて並べる。
- その上に、径4〜6cmの薪を2〜3本、向きを90度変えて置く。
- さらに径2〜3cmの細い薪を4〜6本、また向きを変えて置く。
- 一番上に、焚き付け(=径1〜2cmに細く割ったスギやマツ)を6〜10本のせる。
- 焚き付けの上に着火剤を1〜2個置き、火をつけて扉を閉める。
どの段も、薪どうしを密着させず、空気の通り道を残すのがコツです。薪の長さは炉の幅より5cmほど短くします。
炉が小さい機種(幅35cm前後)なら、太い薪は1〜2本、焚き付けは5〜6本に減らします。少なすぎると煙突が温まる前に火が弱まり、多すぎると本体を急に熱してしまいます。
着火剤は、木毛(もくめ)着火剤=細い木くずをロウで固めたもの、が扱いやすくおすすめです。においが少なめです。湿気を吸うと火がつきにくいので、袋を閉じて保管します。
点火のあと扉を少し開けておくかは、メーカーによって案内が違います。取扱説明書に従い、開けたときはその場を離れないでください。買ったばかりのストーブやシーズン最初は、小さな火で数回慣らし焚きをします。
着火から何分で火が回る?時間と温度の目安
乾いた薪と、天板に置いた温度計を使ったときの目安です。
- 0〜10分:焚き付けから細い薪へ火が移る。何もせず待つ。
- 10〜20分:中くらいの薪から太い薪の上面に炎が回る。煙突の煙がほぼ見えなくなる。
- 20〜30分:太い薪の表面が黒く焦げる。天板200℃前後で空気を3分の2、次に半分へ絞る。
- 30〜45分:熾火(おきび=炎が落ち着いて赤く光る炭)ができたら、薪を2〜3本足す。
カナダ天然資源省のガイドも、炎が明るく満ちて薪の表面が黒くなるまで、通常5〜20分は全開を勧めています。絞って煙が増えたら早すぎる合図です。空気を戻して数分待ちます(空気調整のコツ)。
なぜ上から着火すると煙が少ない?下から着火との違い
薪は熱せられると、燃えるガスを出します。このガスが燃え残ったものが煙です。
下から火をつけると、上の薪から出たガスは炎の外側を通り、燃え残って煙になります。上から火をつけると、下の薪のガスが真上の炎の中を通るので、燃え切ります。スイスの木質エネルギー協会の手引きでは、正しく組めば遅くとも15分ほどで煙がほぼ見えなくなるとしています。
昔ながらの下から着火も間違いではありません。苫小牧市の資料は、細い焚き付けから始めて中くらいの薪、太めの薪へと3段階ほどで火を育てる方法を紹介しています。途中で扉を開けて薪を足せる人や、炉が小さく高く積めない機種なら、下から着火でも十分です。
扉を開ける回数を減らしたい人、立ち上げの煙を減らしたい人には上から着火が向きます。
なお、熾火が残っている朝は、上から着火は要りません。熾火を集めて細い薪をのせ、空気を全開にすれば十分です。
着火がうまくいかない・煙が逆流するときは?

着火剤が燃え尽きると火が消えるのは、焚き付けが太すぎるか湿っているのが主な原因です。焚き付けを細く、本数を多くし、前の晩から室内で乾かしておきます。
煙が部屋に戻るのは、煙突が冷えているからです。冷えた煙突が煙を吸い上げる力は、温まったときの約20分の1しかありません。換気扇を止め、丸めた新聞を煙突の入口の下で先に燃やしてから点火します。
上の段は燃えたのに太い薪に火が移らないときは、中くらいの段が薄すぎます。太い薪が湿っている場合もあるので、乾き具合も確かめましょう(薪の乾燥)。
焚き付けに使える物・燃やしてはいけない物は?
焚き付けには、乾いたスギ・マツ・ヒノキなどの針葉樹を細く割ったものが向きます。製材の端材でも、塗装や接着のない無垢の木なら使えます。
反対に、接着剤・塗料・防腐剤を使った木材や、化学処理された木材は燃やしません(苫小牧市)。合板や集成材も接着剤を含みます。家庭ごみや建築廃材を燃やすことは法律で禁止されています。
新聞紙は着火に使えますが、たくさん燃やすと灰が舞いやすくなります。使うならねじって結び目にし、少量にとどめます。薪の乾き具合は、含水率15〜20%が適切とされています(同)。
薪ストーブの着火前チェックリスト
- 薪は乾いているか。焚き付けは前の晩から室内に入れたか。
- 換気扇を止めたか。高気密の家なら窓を少し開けたか。
- 空気の調整レバーはすべて全開か。
- 太い薪から焚き付けまで、段ごとに向きを変えて組んだか。
- 天板の温度計を見られる状態か(温度計の使い方)。
よくある質問
上から着火と下から着火、どちらがいいですか?
着火剤なしでも薪ストーブに火はつきますか?
焚き付けにはどんな木がよいですか?
着火したのに煙が部屋に逆流します。
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約6分で読めます出典・参考資料
- How to light a fire in your wood burning stove or log burner(HETAS)
- Tips for a Better Burn(U.S. EPA Burn Wise)
- A Guide to Residential Wood Heating(Natural Resources Canada)
- Richtig Anfeuern – Holzfeuerungen mit oberem Abbrand(Holzenergie Schweiz)
- 薪ストーブの火の付け方、消し方、外出時の注意点(ヨツールジャパン)
- 薪ストーブの焚き方(エープラス)
- Stove top thermometer instructions(Condar)
- 薪ストーブの使い方に関するチラシ(苫小牧市)
価格・料金・制度は2026年10月13日時点で編集部が確認した目安です。設置の可否や離隔距離は、必ずメーカーの施工説明書と所轄の消防署で確認してください。