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薪ストーブの着火方法は「上から」:薪の組み方と手順、時間と温度の目安

薪ストーブ図鑑 編集部2026年10月13日 更新約6分で読めます
上から着火して焚き付けの上で炎が立ち上がる薪ストーブ
上から着火すると、炎が最上段から下へゆっくり燃え広がります。
結論
  • 冷えた薪ストーブの着火方法は「上から着火」がおすすめです。立ち上げの煙が少なく、途中で扉を開ける手間もほぼありません。
  • 下から太い薪→中くらい→細い薪→焚き付け→着火剤の順に積み、一番上に火をつけます。
  • 空気は全開で始めます。太い薪に火が回り、天板が200℃前後になったら少しずつ絞ります。

上から着火のやり方は?薪の組み方と8つの手順

炉の幅が40〜50cmの中くらいのストーブを例にします。薪の太さは「径(=切り口の直径)」で表します。

  1. 灰を2〜3cmだけ残し、余分な灰を取り出す。
  2. キッチンの換気扇を止める。
  3. 空気の調整レバーを、すべて全開にする。
  4. 一番下に、径6〜10cmの太い薪を2本、指2本分のすき間をあけて並べる。
  5. その上に、径4〜6cmの薪を2〜3本、向きを90度変えて置く。
  6. さらに径2〜3cmの細い薪を4〜6本、また向きを変えて置く。
  7. 一番上に、焚き付け(=径1〜2cmに細く割ったスギやマツ)を6〜10本のせる。
  8. 焚き付けの上に着火剤を1〜2個置き、火をつけて扉を閉める。
側面図 (ストーブを横から見た断面) ← 奥 手前(扉側)→ 天井板(バッフル) 約20〜 25cm 炎の空間を残す 灰色の波線=熱分解ガス ガスが炎の中で燃える=煙が少ない エアウォッシュ (空気の幕) ガラス扉の位置(破線) ⑤ 着火剤 1〜2個 ここに点火 ④ 焚き付け 6〜10本 径1〜2cm(針葉樹) ③ 細割り 4〜6本 径2〜3cm ② 中割り 2〜3本 径4〜6cm ① 太薪 2本 径6〜10cm 火は上から下へ燃え移る すき間 指2本分 正面図 (扉側から見た図) 天井板(バッフル) エアウォッシュ(空気の幕) ⑤ 着火剤 1〜2個 ④ 焚き付け 径1〜2cm ③ 細割り 径2〜3cm ② 中割り 径4〜6cm ① 太薪 径6〜10cm 細い 太い 凡例:太さが細いほど上に積む 薪の長さ=炉内幅−約5cm 炉内幅
図:上から着火の薪の組み方(側面・正面)

どの段も、薪どうしを密着させず、空気の通り道を残すのがコツです。薪の長さは炉の幅より5cmほど短くします。

炉が小さい機種(幅35cm前後)なら、太い薪は1〜2本、焚き付けは5〜6本に減らします。少なすぎると煙突が温まる前に火が弱まり、多すぎると本体を急に熱してしまいます。

着火剤は、木毛(もくめ)着火剤=細い木くずをロウで固めたもの、が扱いやすくおすすめです。においが少なめです。湿気を吸うと火がつきにくいので、袋を閉じて保管します。

点火のあと扉を少し開けておくかは、メーカーによって案内が違います。取扱説明書に従い、開けたときはその場を離れないでください。買ったばかりのストーブやシーズン最初は、小さな火で数回慣らし焚きをします。

着火から何分で火が回る?時間と温度の目安

乾いた薪と、天板に置いた温度計を使ったときの目安です。

  • 0〜10分:焚き付けから細い薪へ火が移る。何もせず待つ。
  • 10〜20分:中くらいの薪から太い薪の上面に炎が回る。煙突の煙がほぼ見えなくなる。
  • 20〜30分:太い薪の表面が黒く焦げる。天板200℃前後で空気を3分の2、次に半分へ絞る。
  • 30〜45分:熾火(おきび=炎が落ち着いて赤く光る炭)ができたら、薪を2〜3本足す。

カナダ天然資源省のガイドも、炎が明るく満ちて薪の表面が黒くなるまで、通常5〜20分は全開を勧めています。絞って煙が増えたら早すぎる合図です。空気を戻して数分待ちます(空気調整のコツ)。

なぜ上から着火すると煙が少ない?下から着火との違い

薪は熱せられると、燃えるガスを出します。このガスが燃え残ったものが煙です。

下から火をつけると、上の薪から出たガスは炎の外側を通り、燃え残って煙になります。上から火をつけると、下の薪のガスが真上の炎の中を通るので、燃え切ります。スイスの木質エネルギー協会の手引きでは、正しく組めば遅くとも15分ほどで煙がほぼ見えなくなるとしています。

昔ながらの下から着火も間違いではありません。苫小牧市の資料は、細い焚き付けから始めて中くらいの薪、太めの薪へと3段階ほどで火を育てる方法を紹介しています。途中で扉を開けて薪を足せる人や、炉が小さく高く積めない機種なら、下から着火でも十分です。

扉を開ける回数を減らしたい人、立ち上げの煙を減らしたい人には上から着火が向きます。

なお、熾火が残っている朝は、上から着火は要りません。熾火を集めて細い薪をのせ、空気を全開にすれば十分です。

着火がうまくいかない・煙が逆流するときは?

煙突の入口で新聞を燃やして温める
冷えた煙突は、先に入口を温めると煙が戻りにくい

着火剤が燃え尽きると火が消えるのは、焚き付けが太すぎるか湿っているのが主な原因です。焚き付けを細く、本数を多くし、前の晩から室内で乾かしておきます。

煙が部屋に戻るのは、煙突が冷えているからです。冷えた煙突が煙を吸い上げる力は、温まったときの約20分の1しかありません。換気扇を止め、丸めた新聞を煙突の入口の下で先に燃やしてから点火します。

上の段は燃えたのに太い薪に火が移らないときは、中くらいの段が薄すぎます。太い薪が湿っている場合もあるので、乾き具合も確かめましょう(薪の乾燥)。

ガソリンや灯油は絶対に使わないでください。ジェル状の着火剤を、火がついた後に継ぎ足すのも危険です。炎が手元まで逆流することがあります。

焚き付けに使える物・燃やしてはいけない物は?

焚き付けには、乾いたスギ・マツ・ヒノキなどの針葉樹を細く割ったものが向きます。製材の端材でも、塗装や接着のない無垢の木なら使えます。

反対に、接着剤・塗料・防腐剤を使った木材や、化学処理された木材は燃やしません(苫小牧市)。合板や集成材も接着剤を含みます。家庭ごみや建築廃材を燃やすことは法律で禁止されています。

新聞紙は着火に使えますが、たくさん燃やすと灰が舞いやすくなります。使うならねじって結び目にし、少量にとどめます。薪の乾き具合は、含水率15〜20%が適切とされています(同)。

薪ストーブの着火前チェックリスト

  1. 薪は乾いているか。焚き付けは前の晩から室内に入れたか。
  2. 換気扇を止めたか。高気密の家なら窓を少し開けたか。
  3. 空気の調整レバーはすべて全開か。
  4. 太い薪から焚き付けまで、段ごとに向きを変えて組んだか。
  5. 天板の温度計を見られる状態か(温度計の使い方)。

よくある質問

上から着火と下から着火、どちらがいいですか?
冷えた状態からなら上から着火がおすすめです。煙が少なく、崩れにくいからです。熾火が残っているときは、熾火の上に細い薪をのせるだけで十分です。
着火剤なしでも薪ストーブに火はつきますか?
つきます。新聞紙をねじった結び目を3〜5個、または乾いたスギの葉を一番上に置きます。その下の焚き付けを細く、多めにすると火が移りやすくなります。
焚き付けにはどんな木がよいですか?
スギ・マツ・ヒノキなどの針葉樹を、径1〜2cmに細く割ったものが向きます。塗装した木材や合板は、有害なガスが出るので使わないでください。
着火したのに煙が部屋に逆流します。
煙突が冷えていて、煙を吸い上げる力が弱いのが主な原因です。換気扇を止め、丸めた新聞を煙突の入口の下で先に燃やして温めてから点火します。高気密の家では窓を少し開けます。
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あわせて読みたい

出典・参考資料

  1. How to light a fire in your wood burning stove or log burner(HETAS)
  2. Tips for a Better Burn(U.S. EPA Burn Wise)
  3. A Guide to Residential Wood Heating(Natural Resources Canada)
  4. Richtig Anfeuern – Holzfeuerungen mit oberem Abbrand(Holzenergie Schweiz)
  5. 薪ストーブの火の付け方、消し方、外出時の注意点(ヨツールジャパン)
  6. 薪ストーブの焚き方(エープラス)
  7. Stove top thermometer instructions(Condar)
  8. 薪ストーブの使い方に関するチラシ(苫小牧市)

価格・料金・制度は2026年10月13日時点で編集部が確認した目安です。設置の可否や離隔距離は、必ずメーカーの施工説明書と所轄の消防署で確認してください。