薪ストーブの費用は総額いくら?設置費用の内訳と維持費、家で差がつく理由
- 薪ストーブの費用は、総額で100万〜160万円ほどが中心です(新築の場合)。
- 本体は総額の半分以下。差がつくのは煙突の長さと、後付けの建物工事です。
- 使い始めてからは、点検と部品で年3万〜6万円、買う薪で年6万円前後かかります。
薪ストーブの費用は総額いくら? 内訳は3つ
費用は「本体」「煙突の部材」「工事と炉台」の3つに分けて考えます。炉台とは、ストーブを置く燃えない床のことです。施工店の公開例では、3つを足した総額は100万〜160万円に収まることがほとんどです。
本体の値段は、この図鑑に載っている薪ストーブで価格がわかる416機種の真ん中が約58.3万円です。半分の機種は約41万〜79万円に入ります。海外製の住宅用は60万円台が中心です。
煙突の部材は25万〜80万円、工事と炉台・炉壁は25万〜80万円ほどです。炉壁は、ストーブの後ろの壁を熱から守る部分です。
「総額は本体の2倍」という言い方もありますが、当てになりません。エープラスや十勝煖炉も、費用は本体価格に比例しないと説明しています。たとえば30万円の本体でも、煙突が長ければ総額は100万円を超えます。
こんな人に向く目安:新築で屋根にまっすぐ煙突を抜けるなら、総額100万円前後から考えられます。2階建ての1階に置く場合や後付けは、上の幅の上側を見ておくと安心です。まとめると、内訳の目安は次のとおりです。
- 本体:20万〜100万円(真ん中は約58万円)。
- 煙突の部材:25万〜80万円。
- 工事と炉台・炉壁:25万〜80万円。
30〜60万円の機種を一覧で見る、60〜100万円の機種を一覧で見る。
設置費用はなぜ家によって数十万円も違う? 煙突の費用
一番の理由は煙突の長さです。住宅用の煙突は「二重断熱煙突」を1mずつつないで作ります。二重断熱煙突とは、間に断熱材を挟んだ二重の筒で、煙を冷やさないための煙突です。
この煙突は1mで3.5万〜9万円ほどします。ほかに屋根の雨よけ部材や支えの金具などが10万〜25万円かかります。
- 平屋で屋根にまっすぐ抜く家:二重断熱煙突は4mほど。部材は約24万〜48万円。
- 2階建ての1階に置く家:二重断熱煙突は7.5mほど。部材は約38万〜78万円。
煙突は短ければよいわけでもありません。建築基準法施行令第115条は、煙突の先を屋根から60cm以上出すよう定めています。煙をよく引かせるにも、平屋で5m前後の長さが要ります。
後付け(リフォーム)の費用は新築より高い?
壁から横に出す「壁抜き」は、曲がりの部材が増えて高くなりがちです。今ある家への後付けも、屋根を切って直す工事や足場が加わり、新築より20万〜70万円高くなります。
新築を計画中なら、ストーブを後で入れる場合でも、煙突の通り道と床の補強、炉壁の下地だけ先に作っておきましょう。後付けの工事費を大きく減らせます。
図のA〜Dは、条件ごとの総額の試算です。本体の差よりも、煙突と後付け工事の差が大きいことがわかります。
薪ストーブの維持費は年間いくら?
毎年かかるのは、点検と煙突掃除、それに薪代です。工事そのものは2〜3日で終わり、手入れをすれば本体は15〜20年ほど使えます。
点検と煙突掃除は年1回が基本です。業者に頼むと1回2万〜4万円に出張費が加わります。扉のすき間をふさぐガスケット(ひも状の部品)も、数年ごとに交換します。
薪は、買うと1㎥(1m角の箱に積んだ量)で約2万円が目安です。30坪ほどの家を薪ストーブで暖めると、一冬に3㎥ほど使います。つまり買う薪だけで年6万円前後です。

薪の量は家の断熱で倍近く変わります。詳しくは薪の量で試算しています。
灯油やエアコンより安くなる? 元は取れる?
燃料代だけで元を取れるかは、薪をどう手に入れるかで決まります。薪を束で少しずつ買うと割高です。
ファイナンシャルフィールドの試算では、1本115円の薪を1日10時間・半年焚くと約52万円でした。同じ条件の石油ファンヒーター(19畳用)は約3万円です。前提しだいで数字は大きく動きますが、薪を全部買う前提では、灯油より安くなるとは言いにくいです。
一方、原木を安く手に入れて自分で割れば、薪代は大きく下がります。ただし道具代と手間はかかります。光熱費の比べ方は薪ストーブのランニングコストで詳しく見ています。
薪ストーブの費用を安く抑えるコツは? 削ってはいけない所
一番効くのは、煙突が短くまっすぐ抜ける場所にストーブを置くことです。曲がりを1つ減らすだけでも、部材と工事が減ります。新築なら建物の工事と一緒にすると、足場や屋根の穴あけを共用できます。
家に合った大きさを選ぶことも大切です。大きすぎる機種は、本体も炉台も高くなります。
自治体の補助金が使えることもあります。工事の前に申し込む決まりが多いので、契約前に薪ストーブの補助金を確かめてください。
断熱のない安い煙突にすると煙が冷え、タールがたまって煙突火災の原因になります。燃える壁との距離(離隔距離)も削れません。数値はメーカーの施工説明書と所轄の消防署で確認してください。和歌山市消防局は、木が長く熱を受けると100℃程度でも燃えだす「低温着火」に注意を呼びかけています。
見積もりはどう取る? 契約前にやること
- 置きたい場所の真上に、煙突をまっすぐ通せるかを見る。
- 施工店2〜3社に現地を見てもらい、見積もりを取る。
- 煙突の長さと部材の内訳、足場と床の補強が入っているかを比べる。
- 1年目の点検と煙突掃除の料金も聞いておく。
煙突の通し方は屋根出しと壁出しの比較、炉台の決まりは炉台・炉壁と離隔距離で解説しています。
よくある質問
薪ストーブの設置費用は本体込みでいくらですか?
本体だけ通販で買い、工事だけ頼めますか?
費用は住宅ローンに含められますか?
見積もりは何社から取ればいい?
薪ストーブは灯油ストーブより安く暖まりますか?
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約5分で読めます出典・参考資料
- 薪ストーブにかかるお金のこと(エープラス)
- 薪ストーブの費用って?(十勝煖炉)
- よくある質問(ランドマークストーブ)
- 薪ストーブ設置ガイド(エープラス)
- 黒耐熱 二重断熱 直筒1000L φ150mm(ホンマ製作所)
- 断熱二重煙突 直筒 パーツリスト(軽井沢暖炉)
- 建築基準法施行令 第115条(建築物に設ける煙突)
- 薪ストーブ本体・煙突掃除(株式会社 日本暖炉)
- 壁の中から出火(低温着火)(和歌山市消防局)
- 「石油ファンヒーター」と「薪ストーブ」では、「40年」でかかる費用はどれだけ違いますか?(ファイナンシャルフィールド)
価格・料金・制度は2026年10月13日時点で編集部が確認した目安です。設置の可否や離隔距離は、必ずメーカーの施工説明書と所轄の消防署で確認してください。