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薪ストーブの費用は総額いくら?設置費用の内訳と維持費、家で差がつく理由

薪ストーブ図鑑 編集部2026年10月13日 更新約6分で読めます
結論
  • 薪ストーブの費用は、総額で100万〜160万円ほどが中心です(新築の場合)。
  • 本体は総額の半分以下。差がつくのは煙突の長さと、後付けの建物工事です。
  • 使い始めてからは、点検と部品で年3万〜6万円、買う薪で年6万円前後かかります。

薪ストーブの費用は総額いくら? 内訳は3つ

費用は「本体」「煙突の部材」「工事と炉台」の3つに分けて考えます。炉台とは、ストーブを置く燃えない床のことです。施工店の公開例では、3つを足した総額は100万〜160万円に収まることがほとんどです。

本体の値段は、この図鑑に載っている薪ストーブで価格がわかる416機種の真ん中が約58.3万円です。半分の機種は約41万〜79万円に入ります。海外製の住宅用は60万円台が中心です。

煙突の部材は25万〜80万円、工事と炉台・炉壁は25万〜80万円ほどです。炉壁は、ストーブの後ろの壁を熱から守る部分です。

「総額は本体の2倍」という言い方もありますが、当てになりません。エープラスや十勝煖炉も、費用は本体価格に比例しないと説明しています。たとえば30万円の本体でも、煙突が長ければ総額は100万円を超えます。

こんな人に向く目安:新築で屋根にまっすぐ煙突を抜けるなら、総額100万円前後から考えられます。2階建ての1階に置く場合や後付けは、上の幅の上側を見ておくと安心です。まとめると、内訳の目安は次のとおりです。

  • 本体:20万〜100万円(真ん中は約58万円)。
  • 煙突の部材:25万〜80万円。
  • 工事と炉台・炉壁:25万〜80万円。

30〜60万円の機種を一覧で見る、60〜100万円の機種を一覧で見る。

設置費用はなぜ家によって数十万円も違う? 煙突の費用

一番の理由は煙突の長さです。住宅用の煙突は「二重断熱煙突」を1mずつつないで作ります。二重断熱煙突とは、間に断熱材を挟んだ二重の筒で、煙を冷やさないための煙突です。

この煙突は1mで3.5万〜9万円ほどします。ほかに屋根の雨よけ部材や支えの金具などが10万〜25万円かかります。

  • 平屋で屋根にまっすぐ抜く家:二重断熱煙突は4mほど。部材は約24万〜48万円。
  • 2階建ての1階に置く家:二重断熱煙突は7.5mほど。部材は約38万〜78万円。

煙突は短ければよいわけでもありません。建築基準法施行令第115条は、煙突の先を屋根から60cm以上出すよう定めています。煙をよく引かせるにも、平屋で5m前後の長さが要ります。

後付け(リフォーム)の費用は新築より高い?

壁から横に出す「壁抜き」は、曲がりの部材が増えて高くなりがちです。今ある家への後付けも、屋根を切って直す工事や足場が加わり、新築より20万〜70万円高くなります。

新築を計画中なら、ストーブを後で入れる場合でも、煙突の通り道と床の補強、炉壁の下地だけ先に作っておきましょう。後付けの工事費を大きく減らせます。

04080120160200240280(万円)302520設置計 92万円初年度 約99万円A国内ブランド鋼板新築・平屋屋根抜き6050202515設置計 169万円初年度 約184万円B海外製鋳物中型新築・2階建て屋根抜き80652530151518設置計 252万円初年度 約270万円C大型ハイブリッド後付け・2階建て屋根抜き5555202512設置計 185万円初年度 約197万円D工房製後付け・平屋壁抜き設置後の費用初年度の薪・道具建物工事(後付けで増える)床補強足場屋根・壁の貫通設置まわり諸経費運搬・搬入設置工事炉台・炉壁本体・部材煙突部材本体棒の上の数字設置計=設置費用の合計初年度=設置計+薪・道具※2026年時点の目安・税込・試算例。単位は万円。
図:薪ストーブ導入費用の内訳(4モデルの積み上げ)

図のA〜Dは、条件ごとの総額の試算です。本体の差よりも、煙突と後付け工事の差が大きいことがわかります。

薪ストーブの維持費は年間いくら?

毎年かかるのは、点検と煙突掃除、それに薪代です。工事そのものは2〜3日で終わり、手入れをすれば本体は15〜20年ほど使えます。

点検と煙突掃除は年1回が基本です。業者に頼むと1回2万〜4万円に出張費が加わります。扉のすき間をふさぐガスケット(ひも状の部品)も、数年ごとに交換します。

薪は、買うと1㎥(1m角の箱に積んだ量)で約2万円が目安です。30坪ほどの家を薪ストーブで暖めると、一冬に3㎥ほど使います。つまり買う薪だけで年6万円前後です。

玄関脇に届いた乾燥済みの薪
最初の冬は、乾いた薪を買って使うのが普通です

薪の量は家の断熱で倍近く変わります。詳しくは薪の量で試算しています。

灯油やエアコンより安くなる? 元は取れる?

燃料代だけで元を取れるかは、薪をどう手に入れるかで決まります。薪を束で少しずつ買うと割高です。

ファイナンシャルフィールドの試算では、1本115円の薪を1日10時間・半年焚くと約52万円でした。同じ条件の石油ファンヒーター(19畳用)は約3万円です。前提しだいで数字は大きく動きますが、薪を全部買う前提では、灯油より安くなるとは言いにくいです。

一方、原木を安く手に入れて自分で割れば、薪代は大きく下がります。ただし道具代と手間はかかります。光熱費の比べ方は薪ストーブのランニングコストで詳しく見ています。

薪ストーブの費用を安く抑えるコツは? 削ってはいけない所

一番効くのは、煙突が短くまっすぐ抜ける場所にストーブを置くことです。曲がりを1つ減らすだけでも、部材と工事が減ります。新築なら建物の工事と一緒にすると、足場や屋根の穴あけを共用できます。

家に合った大きさを選ぶことも大切です。大きすぎる機種は、本体も炉台も高くなります。

自治体の補助金が使えることもあります。工事の前に申し込む決まりが多いので、契約前に薪ストーブの補助金を確かめてください。

煙突と離隔距離は削らない
断熱のない安い煙突にすると煙が冷え、タールがたまって煙突火災の原因になります。燃える壁との距離(離隔距離)も削れません。数値はメーカーの施工説明書と所轄の消防署で確認してください。和歌山市消防局は、木が長く熱を受けると100℃程度でも燃えだす「低温着火」に注意を呼びかけています。

見積もりはどう取る? 契約前にやること

  1. 置きたい場所の真上に、煙突をまっすぐ通せるかを見る。
  2. 施工店2〜3社に現地を見てもらい、見積もりを取る。
  3. 煙突の長さと部材の内訳、足場と床の補強が入っているかを比べる。
  4. 1年目の点検と煙突掃除の料金も聞いておく。

煙突の通し方は屋根出しと壁出しの比較、炉台の決まりは炉台・炉壁と離隔距離で解説しています。

よくある質問

薪ストーブの設置費用は本体込みでいくらですか?
新築で屋根に煙突を抜く場合、本体・煙突・工事を合わせて100万〜160万円ほどが中心です。今ある家への後付けは、屋根工事や足場で20万〜70万円ほど上乗せになります。
本体だけ通販で買い、工事だけ頼めますか?
引き受ける店もありますが、断られたり、保証の範囲が狭くなったりします。購入前に工事を頼む店へ相談し、工事費と保証の扱いを確かめてください。
費用は住宅ローンに含められますか?
新築時に建物の工事と一緒に契約すれば、含められる場合があります。後付けはリフォームローンになることが多いので、金融機関に確かめてください。
見積もりは何社から取ればいい?
2〜3社が目安です。煙突の長さと部材の内訳、炉台の寸法、足場の有無をそろえて頼むと、金額の差の理由が比べやすくなります。
薪ストーブは灯油ストーブより安く暖まりますか?
薪をすべて買うと、燃料代は灯油より高くなる試算もあります。原木を安く手に入れて自分で割る場合は、燃料代を大きく下げられます。
図鑑で、実際のストーブを比べる526機種を見る

あわせて読みたい

出典・参考資料

  1. 薪ストーブにかかるお金のこと(エープラス)
  2. 薪ストーブの費用って?(十勝煖炉)
  3. よくある質問(ランドマークストーブ)
  4. 薪ストーブ設置ガイド(エープラス)
  5. 黒耐熱 二重断熱 直筒1000L φ150mm(ホンマ製作所)
  6. 断熱二重煙突 直筒 パーツリスト(軽井沢暖炉)
  7. 建築基準法施行令 第115条(建築物に設ける煙突)
  8. 薪ストーブ本体・煙突掃除(株式会社 日本暖炉)
  9. 壁の中から出火(低温着火)(和歌山市消防局)
  10. 「石油ファンヒーター」と「薪ストーブ」では、「40年」でかかる費用はどれだけ違いますか?(ファイナンシャルフィールド)

価格・料金・制度は2026年10月13日時点で編集部が確認した目安です。設置の可否や離隔距離は、必ずメーカーの施工説明書と所轄の消防署で確認してください。